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For Creative Communication

文章修行に効く3冊+1

「書くことを自分の修行にしたらどうなんだい。
書くことの中にどっぷり入っていったら、それは
あんたをあらゆる場所に連れて行ってくれるよ。」

−−片桐老子の言葉より。『魂の文章術』

『「つたわる」を仕組む。』を標榜するからには、
しっかりした言葉を十分な量生み出せる人にならねば、と
ブログの投稿量を増やす目標を何度も立てては
挫折を続けているここ2年。

心の拠り所として、常々読み返している、
書くことの教科書が3冊あるので、今回はそれを紹介したい。

***

1冊目は、ナタリー・ゴールドバーグの『魂の文章術』

ナタリーゴールドバーグ方式の特徴は、
「編集をしないで、とにかく手を動かし続けること」。
Editless。

「ランニングと同様、やればやるほど体得できる」
と本文中にあるように、とにかく量こなすことで
知的体力がついてくる、という。

それは「量質転化」の概念にも通じる、至極当然の理だけれど、
無理なく、自由に、あらゆるテーマで、とにかく書くことを
繰り返し説くのが本書。
本場アメリカでは国語の教科書にも出ているんだとか。

「題材リスト」としてネタを暖めておくこと、
書く場所や筆記用具にこだわること、
ディテールを描写する方法の例など、
かきやすくなるヒントが満載で、読みごたえがある。

ナタリーは作家で、本文も作家・小説家志望の若者向けに
書かれている。
とはいえ、ことばを生み出したいと思っている人であれば、
誰しも、文章修行の意味を見いだせるのではなかろうか。

***

2冊目は、 ジェラルド・M・ワインバーグの
『ワインバーグの文章読本 自然石構築法』

タイトルにもある”Fieldstone Method”が本書の特徴で、
自然石、つまり題材をとにかく集中し、組み合わせて
文章を練っていくという方法論を提示したもの。

ワインバーグは一転、ソフトウェア業界の
ベテラン・テクニカルライターという背景を持つ。

他の2冊に比べると、実践的なノウハウの量はそれほど
多いわけではない。

しかし、情報をロジカルに扱い、組み立てていく方法や
情報を削り落とすことの重要性など、
クリエイターというよりエディターの視点で
文章に向き合う視座を与えてくれる。

まだ習慣化していないけれど、Evernoteなどを使って
日々執筆のネタ(自然石)を集めておくことで、
書きたいこと、書けることはどんどん増えてくるんだと思う。

***

3冊目は、斎藤孝『原稿用紙10枚を書く力』。

オレンジの表紙の「質問力」に登場する、
宇多田ヒカルとダニエル・キイスの対談パートがすごく好きで、
全幅の信頼を置いている、斎藤孝メソッド。

この本では、『3つのキーフレーズ』を軸に、
文章の構成を先に練っていく、という方針が提示される。

3,という数字は、確かに面白い。
2つでは不安定で、4つではやや重苦しい、
その間の、最もバランスの取れた組み合わせ。

日記を書くにもブログを書くにも、
キーワードを先にちょっと書き出しておくだけで、
途中で詰まってしまうことはすごく少なくなる。

特に共感したのが、141ページのこのフレーズ。

「それは、その三つを選んでしまう自分の関心のあり方を
掘り下げていって、ひとつの言葉を見つけるという作業である。
そこにひとつのキーワードを見つけた時に、まとまりの
あるものが書ける。」

編集、という行為の本質は、まさに情報を組み合わせ、
組み合わせの中から新たな情報や価値を立ち上がらせていく
ことにあると思う。そんなことを彷彿とさせる。

ずっと気になっていて、ようやく図書館で借りて読んだが、
この本が一番、すんなり実生活に活かせる内容だった。
昨夜から(個人的に6年続けている)日記の量も増えてきたし、
今こうして、けっこうな量の文章を紡ぎ出せている。

***

さて、3冊の文章修行本をまとめている中で、
どうしても外せない存在があることに気がついた。

山田ズーニーの『おとなの小論文教室』連載である。
http://www.1101.com/essay/

就活を間近に控えた、テヘラン大学寮でひとりPCに向かって
貪るように読んでいた、文章論。

だが、山田ズーニーの発信に通底するのは、文章どうこう以前に
『問い』というものへの強い関心だと感じる。

問いの立て方。

適切な問いを立てることが、思考の道標になるということ。
行き詰まったとき、どんな問いに目を向ければ、打破できるのか。
何か違和感がある場面で、そこに書けている問いは何か。

自分が何を問われているのか。

山田ズーニーの文を繰り返し読む中で、
コミュニケーションの本質が「問い(question)」にあることに
気がつけたことが、いまの思考回路のベース(型)になっている。

***

まとまって書くための時間を取ることは、とても
勇気のいることだと思う。

でも、まずは毎晩の日記を1000字しっかり残していくこと、
朝起きて「何か書く」ことを慣らしていくこと、

そのあたりから、エネルギーのある発信者への道を、歩んでいきたい。

原稿用紙10枚を書く力
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