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社会的投資のエバンジェリスト Jed Emerson の話


ETIC.で開催された、社会的投資のドン Jed Emesron(ジェド・エマーソン)氏(と、ミュージックセキュリティーズ猪尾さん)の講演を聴いてきました。

いつものETIC.セミナールームは例によってかなり詰め込んだ感じ(笑)で、SVPの岸上さん、神代さん、JAMの西本さん、ジャストギビングの梶川さんなど、ソーシャルビジネスやNPO、中間支援の前線の人々が駆けつけていました。

逐次通訳2時間のお話の中で、印象的だったところを3点ほど。(ほとんど話が途切れない中で「サーカスのような」同通を魅せてくれたのは、城田さちさん、かな?)

[1] SROI (Social Return on Investment)は、”tax saving”で測る。

直接的な利益をどれだけ上げたか、で単純に評価できない社会的事業は、『それを政府がやった場合と比べて、いくらの公的資金が節約できたか』という評価指標を入れる、という話。

これ、Jed自らというより、掛け合いのなかでモデレーターの井上英之さんがまとめてくれた内容なんですが、PR会社が「広告費換算」(新聞などで記事に取り上げられた分の露出を広告枠で確保すると何億円分か)で成果を測るのとよく似た方法で、すごくわかりやすい。SROIの評価式は、彼が設立したREDF(レッドエフと発音)のサイトで全て公開されています。

[2] スケールアウトにはいくつかの戦略的オプションがある。

活動の規模を広げていくこと(スケールアップ)だけが成長の形ではない。教育など、地域性が高いものは、水平展開できない(スケールダウン、scale deep)ものもある。また、REDFのように、自ら水平展開する代わりに、情報をすべてWeb上にオープンにして、誰かが活用してくれるがままにする、という方法(これもスケールアウト?)もある。それぞれについて、適切なタイミングで、適切な資金提供者を見つけることが必要という話でした。

[3] patient capital(忍耐強い出資者)

ミュージックセキュリティーズの話の中で出て来た「酒蔵のファンド」の話はとても示唆的で、Jedも食い付いていました。酒蔵はローリターンだけどサステナブルで、利益が出るまで長い時間がかかるけれど、酒蔵が儲かることで地域の米農家が食べていけたり、地域のエコシステムが回っていたりする。従来、このような事業者への出資には「中長期を保留する資本市場、忍耐強い出資者の存在」が必要と言われていた。けれど、セキュリテの事例は「出資者と事業者の距離を縮めれば、(中長期じゃなくて)短期でもいける」ことの好例。「原本割れしたら、差額は在庫(純米酒)で返します」という設計は、酒好きの出資者にとってはリスクにならず、出資を受ける側の酒蔵は、うまくリスクマネーを利用できるというのが印象的でした。猪尾さんにはJedから「エグジットをどうするの?」という質問が飛び、プロジェクトごとに単体で完結し、短期間で回収できるというスキーム(例えば酒蔵が1万瓶作って全部売れたら利回り何%)が紹介されていました。

ほかにも、Community Interest Companyのこと、Social Impact Bondsのこと、あとは資本主義はどうなるのか、とか、面白そうな話は各所に出てきたのですが、少し難しくてなかなかついていけず、残念。。まだスタートラインに立ったか立たないかぐらいで、全然勉強しないといけないことを痛感です。

今日の話は、評価論、SRI、バランストスコアカードなど、いろいろなキーワードが絡み合って、今後特にNPOやプロボノ活動を評価する上で、かなり重要なことの入り口だった気がします。オープンになっている情報(英語だけど)をしっかり読んで勉強しよう…

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