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AI、OST、関係構築に関する一考察 #xyzAction

9/4-5の1泊2日、ラフォーレ那須で開催された合宿型ワークショップ「xyzAction」に参加してきました。集客用Webサイトに掲げていた効能書き通りの2日間。このエントリーでは、「ワークショップの技術」を中心に、レポートしたいと思います。(NOSIGNERさんの “plus 0 workshop” のことは、稿を改めて)

AI (Appreciative Inquiry) について

xyz Action vol.1 4-5 Sep. 2010

初日の午後をじっくり使って行われた「AI」の時間が、自分にとって2日間で一番しっくりきたセッションでした。

京都の嘉村賢州さんがナビゲートするAIは、2人組のインタビューです。パートナーと研修棟の外に出て、木陰になっている遊歩道の階段に二人で腰掛け、まずは50分「話すだけ」のインタビュー、続いて50分「聞くだけ」のインタビューを行いました。インタビューの質問は、ファシリテーターから渡された「質問項目集」をそのまま読み上げる形です。3カテゴリ13項目からなる質問は、50分で聞き切れるような浅さではなく、話が続かなくて焦る、なんて心配は一切要りませんでした。

今回用意された質問群は、「あなたの成功体験」「大切な価値観」「最高の未来像のイメージ」の3ブロックで構成されていました。社会変革へのActionをテーマに開催されたワークショップなので、セッションの意図は「変化」への着目。一般的に用意される問いからはかなりカスタマイズされていたそうです。成功体験に関するエピソードや10年後のイメージなど、質問自体は就職・転職の面接と似たようなものも含まれます。ただ、用意してきた答えを返す面接とAIが異なるのは、「イメージ」を鮮明にしながら話せるような導入の言葉(「いままでの人生の経験をすべて振り返っていただけますでしょうか。」「あなたの知っている人で、いきいきと自分らしく頑張っている魅力的な人を思い浮かべてください。」など)を使うことで、すこしペースを落として、言葉をゆっくり紡いでいくことができること。このペースに聴き手が沿うことにより、より相手の話を一緒にイメージすることができます。

聴き手をやったセッションでは、まさに“Inter-View”(同じ風景をともに見ること)ができました。パートナーになってくれた「越境するコミュニケーションナビゲーター」@mizhozer の話は、いくつもの質問に対する答えの中にすっと一本の筋が通っている感じで、中学・高校の葛藤、大学での飛躍、そして今の仕事、将来のビジョンに至るまで、ひとつの物語を確かに一緒に見ることができたように感じます。

初めて出会ってから半日も経たない間に、そんな体験ができた理由の一つは、設問とセットで記述された「丁寧にイメージすることを促す設問」。これがAIの大きな工夫であると思います。もう一つは、午前中のワールドカフェを使ったセッションで、なんとなく場への安心感が醸成されていたこと。ワールドカフェのお題は「ここへ何をしに来ましたか?そのためにどうしますか?」で、参加者間の期待値の調整が主眼でしたが、小一時間のセッションを通じて、「聴くこと」「学ぶこと」のベクトルが揃ったと思いました。だから、ほぼ初対面でも、怖じずに距離を詰められたのだと思います。

話し手としての発見は、「あなたにとって変化を生み出す大切な要素とはなんでしょうか?」という問いへの答え。わたしは、「リズム、時間」と答えました。振り返ってみると、一定の周期で、「すごく『書きたくなる』とき」「外に開いてどんどんインプットをしたいとき」「何かにコミットしてアウトプットを重ねたいとき」「ちょっと風邪をひいて一休みするとき」が順繰りにやってくるんです。次の波に乗る時は、前回よりも少しアウトプットの質がよくなっていく。そんなイメージが、自己認識としてしっくり来たし、2日間を終えてのもやもやに「波待ち」という言葉で折り合いをつけることにもつながりました。

帰り道は、@sari3ari の車の助手席で、那須から東京まで延々と「AI的」な質問を重ねていく時間になりました。3年前に別の1泊2日のプログラムを一緒に作り、改めて那須での2日間を過ごしてきた彼女とは、問いを重ねながら、お互いの深いところにゆるゆると降りていくような、心地よい対話を楽しむことができました。1日目のワークで問われた「人生を全て振り返る」という作業から、特に小中高でのできごとがやっぱり原体験になっていることに気がついて、昔語りの中からたくさんの発見がありました。

AIのセッションを通して学んだ問いの立て方、つなげ方、具体的な問い方は、これからの関係構築において多いに役立つような気がしています。

OST (Open Space Technology) について

xyz Action vol.1 4-5 Sep. 2010

逆に、この2日間でとても期待していたのに、「うまく参加できなかった」のが、オープンスペース・テクノロジーのセッションでした。

OSTは、ファシリテーターが問いを用意するのではなくて、参加者自身が「議題」を提案し、この指とまれ方式でディスカッションの輪が生成されていくスタイルです。話題提供者の周りに、同じテーマで議論したい人が集まる。出入り自由、時間の区切りも自由、とにかく「ゆるい」制約の中でクリエイティブでいられることがOSTの醍醐味でした。

振り返って、失敗したなーと思うのは、「議題出し」です。

1日目夜の「学び合い」のセッションでは、「プロボノについて語りませんか」というような緩いテーマで、「NPOの経営」を挙げた人とのジョイントセッションを提案しました。しかし、少ない時間の中で、参加者の期待(何を話したいのか)をチューニングできず、議論が始まる前にセッションが終了。まったくもって不完全燃焼でした。

2日目午後の、メインのOSTセッションでは、いくつか上がってきた議題がどれもしっくり来なくて、自分の居場所を作るために「関係構築の問い100本ノック」「明日からのToDoを宣言するところ」を提案。ところがこちらは、他のメンバーが出した「フェスをやりたい!」「コラボしませんか?」「サンタのよめ」といった具体的なセッションの方に人が集まって、開店休業状態。言い出しっぺの自分もあまり本気でホストをする気もなくなって、止まり木のない蝶の状態で、セッションの終わりを迎えてしまいました。

OSTは、ひとつひとつのオープンスペースをホストする参加者の熱量を利用するもの。盛り上がっている輪の中では、こころから楽しんで、眼をきらきらさせている参加者が何人もいたし、仕掛ける人同士のコラボレーションが次々と発火していたようでした。OSTの議題には「本当に話したいこと」を挙げるのが、うまいスタンスだと思いました。別に無理に話題提供をしなくても、ちょっとだけ興味があるスペースをちょっとだけ顔を出してふらふらする「蜂」になってもいいし、どこにも属さず、ときに寝ている「蝶」でいてもいい(自分は本当に後半寝てましたw)。OSTについては、自分に熱量が漲っているときに、もう一度参加してその神髄を味わいたいです。

関係構築について

本業にかかわる自分の問題意識が「新たに出会ったプロジェクトチームで、いかに短期間で関係構築するか」というところにあったにも関わらず、2日間のプログラムの中では、自分自身が関係構築に失敗しています。OSTに乗れなかったり、あまり話せない人がいたり、不完全燃焼感が残ってしまったのは、なぜか…。

ひとつは、「自己開示」の不足。相手への「問い」は、自分をさらけ出した上で接点を探っていくほうが、やっぱり距離を縮めやすい。一方的に質問をぶつけるだけでは、関係は作れないんです。ナホさん・ゆーやさん・けんしゅうさんの共同ファシリテーションによって、安心して自己開示できる環境は整っていたにも関わらず、チャイムが鳴って校門が閉まっていくみたいに、徐々に内面にばかり意識が行ってしまっていたような気がします。

もう一つは、「ピュアな好奇心」の欠如。U理論の話がワールドカフェで出た時に「相手にサーチライトを当てているようでいて、実はプロジェクターで自分を投影するだけ」な聞き方はうまくいかないって話をしていたのですが、ピュアな好奇心を抱くきっかけは、ついぞ掴めずじまいでした。どうすれば、リラックスして、子どもの眼で相手に向き合うことができるのか、その答えはこれから探していかなければなりません。

社会変革へのアクションを生み出す場になるはずのxyzActionワークショップは、自分にとっては図らずも、自分と誰かと1対1の、そもそもの関係構築を、根っこから見直す機会になりました。ただ、「何を問うか」「どう問うか」は、さまざまなシーンでの関係構築につながる基礎力になること。地道に問いの試行錯誤を積み重ねていくしかありません。

明日から、友人とサシで話す機会が続くし、まもなく女神山での「インタビューのワークショップ」も控えています。しばらく、次の周期の「波」が巡ってくるのを待ちながら、日々「問う」という、関係構築の筋トレを続けていきたいと思います。

仲間たちによるエントリー

参考リンク

+ AI概要
http://www.humanvalue.co.jp/report/positiveapproach/02.html

+ OST概要
http://www.humanvalue.co.jp/report/positiveapproach/03.html

*photoes are taken by @scommunity

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