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For Creative Communication

学友たちの多様なインタビュースタイル

同じ師についてインタビューを学んだ仲間の記事を読むのは、本当に、楽しいことです。今日、恭子さん @kyks による橋本久仁彦さんのインタビュー記事が、PDFで読めるようになりました。もちろん記事として、話し手の語る内容も非常に面白いのですが、「聴く側」のあり方にも、学ぶところが多くあります。

話し手である橋本久仁彦さんは、「プレイバックシアター」や、「非構成的エンカウンターグループ」のファシリテーションなどで知られる方です。縦書き11ページにわたるインタビューのテーマは「フェンス」。人と人との微妙な距離感の調整を、フェンス・フィールド・ステージという3つのキーワードを使って描き出し、考察を深めていく内容になっています。

Strangle Hold
Creative Commons License photo credit: Randy Son Of Robert

相手に過剰に踏み込まれないために「防壁」をつくることを、「フェンスを立てる」と表現しているのですが、フェンスは向こう側が見える「柵」で、「高さの調整」ができて、「外せる」ものなんですね。教室で殺気立っている生徒とのやりとりや、千と千尋に出てくるカオナシを引き合いに、エネルギーが変質し、たまに暴走していく様子を語る部分などは、とても鮮明なイメージが立ち上がってきます。確かに自分をとりまくコミュニケーションのありようを見直す上で、「効く」話が詰まっていると思いました。

さて、恭子さんのインタビュースタイルは、とても特徴的だと感じています。印象としては、「漆の重ね塗り」のような…。「どうして」と「どうすれば」を、決して見逃さず、一歩一歩、ある意味粘り強く聴き続けるような問い方が上手いと感じました。もちろん記事にする中で、相当部分を削っているのですが、「フェンス」というメインテーマを離れずに、少しずつ拡げていっています。だから、繊細な観察ができて、掘り下げが深い。「正確に言い換える」という方法を、かなり忠実に使うことで、大事な部分をロストせずについていけるんだと思います。

ある種、対照的なスタイルだと感じるのは、先日サイゾーウーマンに永江朗さんのインタビューを書いた、かざるさん @kazaru 。文さんのインタビュースタイルからは、「トスバッティング」を想起します。相手の話に、外から別のものをぶつけて、そこで化学変化を誘発する。そこで気持ちよく長打を打ってもらえるような玉出しが上手な感じです。これをうまくやるためには、相手の文脈に沿った知識・教養の蓄積が必要なはずで、かつ、それを相手の邪魔にならないように出していくというのは、難易度の高いものなんだろうと思います。

振り返って自分のスタイルをなんとなく振り返ると、「飛び石渡り」…?
相手の話の中にある共感ポイントに飛びついて、話を加速させていくことはよくできるのですが、かえって大事なところを掘り損ねたりするし、テンポが早過ぎて相手のペースを乱したりしてしまうということが、ここ2週間ばかり、インタビュー(面談的な聞く仕事)を続けてきて分かったことでした。「いかに訊くか/いかに聴くか」は、来年も、しばらく大事なテーマであり続けます。

Reference

+ <フェンス>があるのにつながろうなんて言えない——橋本久仁彦さんインタビュー(聞き手:杉本恭子)
http://bit.ly/ijQ7Ab
※firestorage経由、PDFファイル

+ 『セゾン文化は何を夢みた』刊行記念インタビュー:「セゾン文化」の証人・永江朗が語る、2010年代、文化と風俗のありか(聞き手:香川文)
《前編》
http://www.cyzowoman.com/2010/11/post_2652.html
《後編》
http://www.cyzowoman.com/2010/11/post_2631.html

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