震災被災者を支援するための寄付先に迷ったので、どこに寄付したら、最終的にどこにお金が行くのか、少し調べてみました。
(諸々の数字は、特に記載のない限り、2011/3/17時点で公開ベースの数値です。本記事は原則としてウェブ上の公開情報に基づいています。更新するかもしれませんが、日を追って情報が古くなる可能性が高いので、参考程度にご覧ください。)
※3/19 22:00 NGO活動地域情報を更新、Global Givingとユニバの紹介を追記。
※3/28 8:00 JPFに関して大幅追記、RQの紹介を追記。

Please Donate For Japan Earthquake
Creative Commons License photo credit: sorarium

大口の窓口としての、日本赤十字社

「日本赤十字社(通称:赤十字、日赤)を通じて」という表記をよく見かけませんか?
グルーポンのマッチングギフト方式の寄付1.7億円や、ユニクロと柳井さんの14億円は、日本赤十字社を通じて、被災地に送られる「義援金」となります。
他にも、Yahoo(4億円拠出済み!)、mixi、GREE、はてな、ニフティ、DMM、ローソン、楽天銀行など、一般向けに募集されている義援金は、かなり多くのケースで、日本赤十字社に一旦集約する形になるようです。「寄付控除対象」であること、信頼性の担保された団体であること、加えて、被災者に直接支払われる「義援金」という形式などから、日赤が選ばれるのかもしれません。

さて、その赤十字に行ったお金はどうなるのか?
その使途は、「義援金配分委員会」なる組織が決めていくことになるそうです。

通常、義援金配分委員会の構成員は、学識経験者、被災者代表、義援金交付団体、福祉団体代表。そして、配分先は、「被災市町村」を通じ、被害の度合いに応じて「被災者(世帯)」に個別に振り込まれる枠組みになっているようです。今回は、「市町村」という自治体機能が失われているところもあり、配分結果については注意深く見守っていきたいです。

義援金の性格上、実際に被災者にお金が届くまでには時間がかかります。今回は特に被害地域が広範で、配分委員会の調整が難航しそう、とする産経の記事もあります。配分計画の進捗については、公式サイトの発表を待ちましょう。

参考1)中越沖地震の際の義援金配分委員会設置要綱

参考2)平成20年宮城内陸地震の際の配分結果。個人単位の単価が出ています。

赤十字本体の活動としては、60班を超える「救護班(医師1・看護師3・運転手1・事務管理要員2)」の派遣と、救援物資として9万枚を超える「毛布」の支給を行っています。これらの活動への支援は「事業資金寄付」を選ぶことでできますが、通常の「義援金募金」の行き先とは異なると思われるので、注意が必要です。

こうした「赤十字の先」については、私も赤十字の公式サイトをよく読むまで全然知らなかったので、寄付する際は知っておくとよいかと思います。

※3/20 18:20追記:なお、義援金の窓口は、赤十字の他に共同募金会(赤い羽根のところ)、NHK等複数の窓口があります。下記ページもご参照ください。
募金情報まとめ

現地で活躍する人道支援NGO

最も「現場」に近いかもしれない寄付先は、現地に入って活動している人道支援NGOです。海外の緊急人道支援で経験を積んでいる、有名なNGOが続々と現地入りし、初動の調査や支援物資の分配などに当たっています。

NGOは団体によって、拠点や主たる活動地域が異なっているようです。
Civic Force(ピースウィンズ・ジャパンの大西健丞氏が代表)は、気仙沼市を拠点に、陸前高田や大船渡でも炊き出しなどを行っています。
JENADRA Japanは、仙台市。避難所人口の多い宮城野区、若林区を中心に。ADRAは、東松島にも。
NICCO(日本国際民間協力会)は、名取市を拠点に、岩沼市・陸前高田市で、医療支援活動を実施。
シェア(国際保健協力市民の会)ロシナンテスも、名取市を拠点に。
AAR(難民を助ける会)は、仙台市・石巻市・山元町。
ワールド・ビジョン・ジャパンは、宮城県登米市・南三陸町。
シャンティ国際ボランティア会は、陸前高田市。(気仙沼・南三陸にも)
AMDA(アムダ)は、釜石市・大槌町。釜石にはCARE Internationalも入っています。
シャプラニールは、北茨城市。茨城への救援は数少ないです。

各団体の公式サイトを見れば、数日遅れで活動レポートがアップされています。現時点では上記以外にもかなりの数の団体・グループが現地に入っていると思いますが、上記の中でも、ピースウィンズ・CivicForce、JEN、NICCO、ADRA、AMDA、AARといったところは特に初動が速く、災害支援に特化した経験を積んでいるところが多くて、信頼が置けるところだと思います。

知人や家族の縁があったり、仕事の付き合いがあったりで、特定の地域に特に寄付をしたい…というときは、こうした活動地域を見ながら、最も近い地域で活動を行なっているNGOに寄付を行うのがよいかもしれません。それぞれの文脈に沿った寄付であればあるほど、寄付する側の動機付けになると思います。

主だったNGOのtwitterアカウントは、友人 @kasagohan がリストにまとめてくれています。
http://twitter.com/#!/list/kasagohan/relief-ngos-list

複数のNGOに振り分けを行う「基金」

3/15に立ち上がった、Think the Earth基金は、上記のような活動中のNGOへの寄付を、一旦Think the Earth事務局が取りまとめ、複数の団体に振り分けていくという枠組みです。

赤十字ほど大口の枠組みではなく、個別の団体を選ぶだけの理由はない、という方には、ぴったりの方法かもしれません。救援活動への直接的な支援をバランスよく行える点で、個人的にはThink the Earth基金を最も支持しています。投資信託と形式が似ていますね。

★3/18 12:00更新:Think the Earth基金は基金側の手数料なし(振込手数料のみ寄付者負担)で、全額寄付されます!(thanks to @thinktheearth)

また、複数団体が加盟するジャパン・プラットフォーム(JPF)も、枠組みとしては近いかもしれません。(注:以下JPFに関して、3/28加筆)

33団体が所属するJPFですが、特徴は「(均等)配分ではなく、審査を経た『助成』」としているところ。公式サイトに掲載されているレポートを見ると、「どの団体の、どの活動に、いくら」渡されているのか、明瞭に知ることができます。

非常に面白いことに、JPFの助成先のうち金額の多いところは、あまり名前の知られていない、ユニークなところが多くなっています。初動調査・対応フェーズで消化された1.2億円のうち、最大の約4200万円が助成されたのは、「BHNテレコム支援協議会」(情報通信の専門NGO)が遠野市で展開する通信インフラ整備事業(仮設型インターネットインフラシステム構築、ラジオ配布など)。BHNが活動する岩手県遠野市は、釜石市や陸前高田市の「後方支援基地」となる重要拠点で、そこの通信環境を先行整備するというのは、確かに非常に重要そうです。次に多いのは、「医療支援」の領域。南三陸町・志津川エリアで巡回診療などを行う、災害人道医療支援会(Huma)と、名取市を拠点に陸前高田市や小友町でも活動する日本国際民間協力会(NICCO)に、それぞれ2500万円前後が助成されています。

JPFへの寄付は、一部がJPF自体の事務管理費に当てられます。通常は法人寄付の10%、個人寄付の15%を上限としているところ、今回はそれより比率を下げるという記載があります。ただ、JPFのコーディネート機能(資金の適切な分配と審査・評価、活動地域のアレンジ、複数団体の活動報告の取りまとめ)は、活動に無駄をなくす上で極めて重要であり、その部分への支援も必要なものであると考えています。

JPFに集まった金額は、3/24時点で、18億円。初動段階で配分されたのはこのうち1割程度ですが、現地のフェーズの変化に合わせて、効果的に活用されることが期待されます。

その他の特徴的な寄付プラットフォーム

※3/19 22:00 本章追記。

外国からの寄付や、クレジットカード決済で支援金を届けたい場合、Global Givingの被災地支援プロジェクトをおすすめします。Global Givingの共同創設者の一人は、世界銀行出身の日本人。既に2万人以上の寄付者が、合計150万ドルを超える寄付を行っています(目標額は当初の80万ドルから200万ドルへ、そして今は400万ドルへと引き上げられています)。

※3/20 12:00追記:カード決済自体は、赤十字やJPFでも可能です。

最小単位25ドルから1,000ドルまで、キリのいい数字を選んで寄付できるのもポイント。クレジットカードやpaypal経由で簡単に決済ができます。
Global Givingの素晴らしいところは、既に2回分の資金拠出レポートを公開している点。Report(報告)のページによれば、2回目155万ドル(1ドル=81円換算で1.2億円)を拠出。支援先は、JPF本体が最大で、JPF加盟団体や、セーブ・ザ・チルドレン、Architecture for Humanity、International Medical Corps、Lifeline Energyなどが含まれています。

ガソリンを始め、粉ミルクや紙おむつなど、依然としてそもそもモノがない状況に問題意識を感じている方は、日本ユニバーサルデザイン研究機構(通称:ユニバ)への寄付を考えてみてください。ユニバへの寄付は、ガソリン、灯油、重油、軽油などの緊急物資調達に直接使われるとされています。ユニバはちよだプラットフォームを拠点に、個人からの救援物資の募集も行っています。(「生死を分けるアイテム」「枯渇しているアイテム」に限られます。詳細は最新のウェブサイトを参照ください)

ホールアース自然学校の広瀬敏通さんが率いるNPOエコツーリズムセンターでは、「RQ市民災害センター」を組織し、宮城県登米市を拠点に、物資配布などの活動をしています。RQ(公式twitterアカウント @rqcenter は、モンベル社の「アウトドア義援隊」と連携しつつ、現地ボランティアの派遣をしているとのこと。友人で元Think the Earthのナイスガイ、佐々木さん @mountak も写真付きのレポートを上げてくれています。RQでは東京本部事務局でもボランティアを募集しており、資金・物資面での協力以外にも、さまざまな参加の形がありそうです。

◎3/20 13:00追記:『ふるさと納税』の活用法について、Lifehacking.jpにいいまとめがありました!こちらも参考に。
ふるさと納税で災害復興支援ができるというのでまとめてみた|Lifehacking.jp

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以上、深掘りすればもっといろいろ出てきそうですが、今わかったところまで。
各団体の支援活動や政府の復興への取り組みについては、被害情報や原発の話で埋もれてしまいがちな中、少しアンテナの感度を高めて追いかけていきたいと思います。(引き続き、可能なかぎり更新していきます!)