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For Creative Communication

TED日本語字幕翻訳への招待

iPadアプリ“TED+SUB”やTED公式サイトで、日本語字幕付きの動画を楽しんでいる皆さま。その字幕、どんな風につけられているか、ご存知ですか?

何人もの敏腕翻訳家が、日夜新しい字幕をリリースしている、翻訳ボランティア “The TED Open Translation Project”。その翻訳過程をちょっぴりご紹介します。(興味を持った方、ぜひ参加してみてください!)

アカウントを取得し、担当する動画を選ぶ

まずはTED.com右上にある”Register”からアカウントを取得。アカウントを取得しただけでは翻訳は始まらないので、安心してください(笑)。

ログイン後、翻訳待ちになっている動画一覧の画面を開き、ステータスがready to translate / ready to reviewの中から担当動画を選びます。

ここで、「Request to translate」のリンクを押した瞬間に、担当が割り当てられますw(確認画面など一切なし!)。リンクを押す際は少し心の準備を…。

#筆者の場合、興味本位でRequestをクリックしたことから、翻訳プロジェクトが始まりました。(笑)

多言語字幕作成システムdotSUB

割り当て手続きが完了すると、いよいよ字幕をつける作業に入ります。この作業は、“dotSUB”というウェブサービス上で行われています。

dotSUBの編集画面では、元の英語字幕に対し、1行ずつ日本語をつけていくインターフェースになっています。しかし実際は、”.srt”という拡張子を持つ字幕ファイル(中身はテキスト)としてエクスポートし、作業後に再度流しこむことになります。Excel等での作業がしやすくなるよう、srt2csvなど、さまざまな支援ツールが、翻訳チームメンバーによって開発されています。(srt2csvは@kirameisterさんの作)

GoogleDocsによる「レビュー」のプロセス

TEDの字幕翻訳は、必ず「レビュー」というプロセスを踏みます。Reviewerは、Translatorが全編通しで訳したものを確認し、分かりにくいところや解釈の勘違い、固有名詞の表記などを確認し、議論しながら字幕の質を高めていきます。

筆者がこれまで担当した3本では、GoogleDocsを利用して、レビューを進めていきました。.srtファイルをcsvに変換してSpreadsheetに貼りつけ、コメントを入れていきます。要確認箇所は、訳文のセルの背景色を変えていきます(ReviewerコメントとTranslatorコメントは別の色。解決したらグレーに変更。全部グレーアウトしたら完了です)。

作業の進め方は、タッグを組む人によって様々だと思いますが、経験豊富なボランティア翻訳者と組めば、効率的な作業の進め方を教えてくれると思います。(筆者は同時進行で翻訳とレビューを1本ずつ、@natsu_water に色々教えてもらいながら経験しました。ナツさんの伝授に感謝。)

レビュー完了期限は2週間。この間にやりとりを終え、再度.srtファイルに書き出したものをdotSUBにインポートすれば、あとはTED側の確認を経て、公開を待つばかりです。

#最近担当したショートムービー「マーク・ベゾス:ボランティア消防士が語る人生の教え」も、ぜひご覧ください。「いま、このタイミングで、日本語字幕付きで公開したい」ということで、レビュアーに誘ってもらいました。 translated by @wataru_n

どんな人が翻訳に参加できるの?

参加条件は“Becoming a TED Translator”というページに記載があります。これを読んで概ね分かるぐらいの読解力で大丈夫だと思うのですが…

「Language skill(語学力)」の項目には、

No formal language training is required to translate for TED. But we do ask that all translators be fluently bilingual.(特別なトレーニングは不要だけど、「流暢なバイリンガル」であること)

と記載されています。幅広いです。筆者もなんとかビジネスメールを英語で返せるぐらいですが、ぎりぎり何とかなっている感じ…。

それから、「Time Commitment(期日順守)」の項目。翻訳の期限は1ヶ月、レビューの期限は2週間です。以前担当した、エミリー・ピロトン『変革のためのデザイン教育』は、16:44のやや早口のスクリプトを起こして、日本語で約8千字。これを1ヶ月で訳し切るのはけっこう大変です(5分程度の短いものもあるので、そこから入るのも作戦の一つかと)。語学力はむしろ、このスピードと量に対応できるか、というところが見極めどころであるような気がします。

3つめの条件は「Collaboration(協働)」。TEDの字幕翻訳は、Translator(翻訳者)とReviewer(レビュアー)がタッグを組んで、議論をしながら質の高い訳をリリースしていきます。お互いがボランティアで、うまく協力しながらやっていくコミュニケーションスキルが必要とされます。

実際のところ、少し背伸びをして字幕翻訳にコミットしてみると、ただ動画を観たりシャドーイングしたりするのとは桁違いの教育効果があります。それは英語力然り、日本語の表現力然り、講演の背景となる情報への理解然り。まずはレビューからでも、チャレンジしてみることがきっと大事だと思います。

最新の日本語字幕付きTEDTalksを追いかけよう

日本語字幕が付いているものは、英語版の公開からごく僅かな期間でリリースされた最新動画(2月末に開催されたTED2011の講演もいくつも挙がっています。ビル・ゲイツのキュレーションで話題になっていたサルマン・カーン「ビデオによる教育の再発明」など)もありますし、数年前の講演が掘り出されてきたものもあります。

TED公式サイトの日本語付き動画リストでは、英語版の公開日付の新しい順でしか見られませんが、差分を取って「新しく日本語字幕が付いたTEDTalksのリスト」をフィードで配信するサイトを、友人 @reomre が立ち上げてくれました。これは便利!

TED talk日本語字幕 更新情報

教養と語学を同時に身につけられる上質な学習教材として、日本での認知も徐々に高まっているTEDの講演動画。新しい教材を次々と生み出しているボランティア翻訳者の方々に感謝しつつ、アウトプットを通じてさらに学びを深めたい方は、ぜひThe TED Open Translation Projectに参加してみてください。

One Comment

  1. こんばんは。最近TEDの存在を知りました。TEDについて興味があります。ただ、なかなか情報を集められるサイトや友人がいません。自分は大学生です。幼いころから英語を勉強してるんですが、自分の英語力を試してみたいです。そして英語を使ってさまざまなことを経験したいと思っています。英語によってたくさんの人とコミュニケーションをとってみたいです。
    そしてTEDのチームに参加してみたいです。大学生では無理でしょうか?アドバイスをいただけたら幸いです。後TEDについても詳しく教えてくださらないでしょうか?お願いします。

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  1. キャロライン・ケイシー: 限界の向こう側 | NPO法人 eふぉーらむのブログ  - [...] TED日本語字幕翻訳への招待で紹介されているような仕事が善意で行われていると思うと [...]

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