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5分の調整で蘇った、万年筆シャレーナ

万年筆は「調整」ができる、って知っていますか?

もう10年くらい前、祖父に買ってもらった、セイラーの「シャレーナ」という万年筆をずっと持っていたのですが、放置期間が長く、水に一晩浸しても、インクがだいぶかすれてしまい、また使わなくなる…を繰り返していました。でも、小ぶりで携帯しやすいし、細かい字が書けて、なによりスタイリッシュなので、なんとか普段使いにしたい…。

そこで相談に行ったのが、神戸元町にある万年筆の専門店『PEN AND MESSAGE.』です。ここは、持ち込み万年筆の調整(研磨してインクの出や滑りをよくすること)を一律2,500円でやってくれます。万年筆の調整を掲げているお店は数少なく、PEN AND MESSAGE.の他にネットで見つかるのは、東京・千石の川窪万年筆店、大阪・北浜のモリタ万年筆店くらい(京都にはありません)。JR元町駅から徒歩数分のところに、ちいさなお店があります。

Cha pnm

店主の吉宗さんがざっと書き味を試し、「ちょっと書いてみてください」と、自分の書き方を確認。そして、ルーペとやすりを取り出し、細かい作業が始まります。やすりで磨き、大きなグラインダーの機械で仕上げるまで、(計っていませんが)5分くらいの短時間。それだけですが、書き味は全く変わりました。

Cha ba

上が調整前、下が調整後。調整前は、EF(Extra Fine: 極細)とは思えないくらい細くて細かい字が書けていたものの、15分ぐらい書いていると、かすれて文字が見えないような状態。調整後は、ある程度ふつうのEFに近い太さになりましたが、ストレスなく滑らかに書けるようになりました。大満足です。

※ちなみにサンプルで書いているのは、諸葛亮の有名な『出師表』です(笑)。

調整後のシャレーナと、普段使っているLAMY SAFARIを比べると、シャレーナの方がまだ「若干」ですが、細かい字が潰れずに書けます。サファリの方も、調整が必要かと思って見てもらいましたが、「最小のインクの量で滑らかに書ける。この状態でできることは何もない」というほど良い状態とのこと。このサファリは2008年の限定色モデル(ライムグリーン)で、前々職のマーケ部長から餞別にいただいたものなのですが、ずっと日常的に使っていました。やはり日々使い込むことが、状態を保つ最良の方法ですね。

Cha safari

ところで、この驚くほど細くてミニチュアな万年筆は、数少ない「スリムタイプ」の万年筆で、カートリッジも専用のものを取り寄せなければなりません(スリムタイプを出しているのは国内外でもセイラーのみで、「シャレーナ」ブランドで時折新しいタイプが出ては廃盤になることを繰り返しているそう)。先日LAQUEの丸善でカートリッジをまとめ買いしたところでしたが、この機にコンバーター(インク吸入器、¥500)を購入しました。これでカートリッジの供給が途切れても大丈夫。でも、店主が「たまに好きな人いますよね、何本か調整してるもんなぁ…」と呟いていたので、意外に今も使っている人は少なくないのかもしれません。

Cha cartridge

物書きにとって、お気に入りの万年筆を使うことは、イチローがバットを選ぶくらい、大事なことだと思います。書いていて気持ちのいい、自己肯定につながる道具を使うこと。ペンを見直したことで、また新しいアウトプットが生み出せそうな気がしています。

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