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「ストーリーテリングでUX」ってどうやるの? @UX_KYOTO

2012年11月11日(日)、烏丸御池近くの「はてな」セミナールームにて、UX KYOTO主催のワークショップに参加してきました。テーマは『ユーザーエクスペリエンスのためのストーリーテリング』。同名書籍の翻訳メンバーである脇阪善則さんがファシリテーターを務める、5時間の会でした。

uxkyoto

UX流のストーリーテリングは、「つくるべきもの」の共通認識づくりに、大きな力を発揮する手法といっていいと思います。「京都への観光客を増やすためのモバイルサービス」というテーマで、一連の流れを体験する今日のワークは、次のようなステップで進みました。

  1. 4人グループで「お互いをユーザーに見立ててインタビュー」し、テーマである「京都観光」にまつわるアネクドート(=エピソード)を書き出す。ここで「プラグマティックペルソナ」を作成
  2. エピソードを「物語の型(旅立ち〜試練〜目的の達成〜帰還、といった構造)」および「行動・コンテキスト・心情」のフレームに沿って整理・構造化する。物語として足りない部分は要素を補う
  3. 各エピソードに対してアイデアを出し、デザインスケッチを作る
  4. 各自で一つの「あるユーザーの物語」を文章化する
  5. グループ内、ついで全体で物語を共有

storyboard

このフレームワーク通りに組み立てていくと、機能要件や必要なコンテンツがバランスよく織り込まれた物語ができて、「それ、作れそうだね!」という感触を皆が持てるくらいになります。文章化段階では、文字を紡ぐのが面倒だたので(笑)、「ストーリーボード」の形式でプレゼンテーションしてみました。

うちのグループでは、「大阪在住・子持ち30代男性・イケてるパパ」というメンバーから拾ったペルソナを軸に、

  • 観光計画を立てるけど、本もネットも同じような情報ばかりで辟易
  • ⇒ソーシャルメディア経由「自分だけの旅をデザインできるサービス」を発見
  • ⇒自転車を使って回れる旅の経路をセットすると、「旅のしおり」が送られてきた
  • ⇒旅行中はスマホでナビをしながら「スタンプラリー形式」でチェックイン
  • ⇒突如子ども(小学生くらい)が「お昼はやっぱり和食じゃなくて中華がいい!」とだだをこねる
  • ⇒現在地と経路にあわせて近くの美味しい食事処を探す
  • ⇒スペシャルなサービスが受けられた
  • ⇒帰って写真を整理してサービスにセット、「注文」ボタンをクリック
  • ⇒立派な「フォトブック」が送られてきて、旅の思い出になる
  • ⇒満足した旅の経験とサービスについてソーシャルメディアで共有
…みたいなお話を作りました。

計6グループぶんの「物語」の発表を聴いていると、やはり具体的な「ひとりの像」にフォーカスして切り込んだグループは、物語の説得力が段違いでした。「仏像マニアな花屋の青年」とか「同志社OGの花嫁」とか、ペルソナのキャラが立っていると、必要な機能・コンテンツも具体的かつ本質的なものだけに絞られてきます。

story

この手法ので、やはり難しいなと感じたのは「インタビュー」のスキルと、本来であればインタビュー対象者の選定。聴く相手が間違っていたり、情報を引き出しそびれたりすると、後ろ側の工程がすべて的外れになってしまうリスクがありそうです。この辺りは本でもカバーが薄いし、帰り際にお話しした脇阪さんも「経験、と言ってしまえばそれまでですが…」と言っていたので、確立されたものはない様子。インタビュー術関連の本を読んだり、インタビューのワークショップに参加するなど、学び続け実践し続けるしかありませんね…

ともあれ、「ストーリーテリング」の手法は、先日勉強会をしたカスタマージャーニーマップや、最近渋谷のメンバーとも読みこんでいる本『エクスペリエンス・ビジョン』の手法とも共通性・補完性があり、Web構築プロジェクトの要件定義ツールとして、とても有効なフレームワークになりそうです。UX KYOTOのメンバーとも絡みながら、研究を続けていきたいと思います。

ユーザエクスペリエンスのためのストーリーテリング -よりよいデザインを生み出すストーリーの作り方と伝え方 -

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