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For Creative Communication

図工嫌いのMake-a-thon

そういえば小学校の頃、図工の授業が嫌で嫌で、図工室の真ん中で大泣きしていたことを思い出しながら、このエントリーを書いています。

奥多摩の森で

2013年7月中旬、東京・奥多摩で、全社員(80人!)の合宿がありました。2日間のプログラムの「主菜」は、多摩の森が生み出す間伐材・鉋屑・オガコなどを材料にした『木工メイカソン』。9時半から14時半までお昼を挟んだ5時間、7人チーム×11班で競い合いながら、それぞれ「何か」を作り上げます。旧小河内小学校の体育館には、ドリルで掘る音、ノコギリをひく音、たくさんの笑い声、降り続く雨の音、時折飽きたメンバーが遊ぶバスケットボールの弾む音などが響いていました。

合宿2013_DAY2

5時間のメイカソンの成果は、「惨敗」
(採点制ではなかったので勝ち負けはないのですが、明確に「惨敗」でした。。)

経験のあるクリエイティブディレクターが集まったチームなのに、最初のテーマ設定から迷走を続け、プロトタイプを一つに絞り込めないまま、「作りかけ」の山を披露して終わる結果に。3日経った今日、社長から「なにやっとんねんw」と突っ込みが入る体たらくでした。この1日は、本当にしんどかった。最後の発表は、メンバーの一人が半ば強引にまとめてくれたけれど、光の欠片すら見えない道を、ただ歩き続けるような時間でした。

Make-a-thon(Make+Marathon。プログラミングのHack-a-thonに対し、”Maker”ムーブメントを絡め、実際に「ものづくり」をお題とするイベント)が強く推奨される社内にあって、次回の「ピンチ」を乗り越えるために、いくつかのLessons learned (教訓) を残しておきます。

「共感できる誰か」へ

ワークの始まりは、強制発想法を用いた「誰が」と「いつ」のアイデアの掛け合わせからスタートしました。そして、この過程で選んだキーコンセプトが「勇者が/眠いとき」…。
勇者って誰だ…。
(やっている最中はまじめに「自分たちの『勇者的な』側面に光を当てて、、」とか考えていました。最後まで。ほんとうに。共有できていなかったけれど)

大喜利的なブレストと違い、一定の時間をかけてモノを作るメイカソンでは、きわめて具体的なユーザーや利用シーンの想定が大事な出発点です。「いつも眠そうにしている○○さん」とか、「飼い猫が夜中に走り回って困っている○○さん」などと、シーンを限定できたチームは、一つ一つのアイデアが、具体的に「効く」解決策につながっていて、説明に一貫性があります。ワークの開始地点で、メンバー誰もが共感できる「誰か」に、焦点を合わせる必要がありました。

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「あって嬉しいもの」を

アイデア出しをしていると、つい「ウケるアイデア」や「きれいなロジック」に引っ張られてしまいがち。でも、メイカソンでは作るモノ自体が「それっていいね!」と感じられるように、プロセスを重ねていかないといけない。

途中、粗い板の四辺をナイフで切りそろえ、紙やすりをかけて「きれいになったね!」と喜んだ時や、あるメンバーがちいさな端材を丁寧に組み合わせて植木鉢のようなものを作ってきた時は、すこし「勝機」が感じられた気がする。モノとして「いい」と感じられないものや、「そんなの別に要らない」と作る側が思っているもので、他の誰かの共感はとても得られない。完成度はどうあれ、少なくとも「自分が愛せるもの」をつくることは、メイカソンに参加する間は譲っちゃいけないと感じました。

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▲例えば、とても綺麗に仕上がりの「森皿」を作った班は、実際に間伐材の事業化に関わる審査員からの評価も上々。

軌道修正(pivot)の機会を大切に

早めのお弁当を食べている間、「ちょっと勇者を離れて、木のもっている本質的な性質について考えてみようか」という議論が起きました。でも結局、議論は雲散霧消して、方向転換(ピボット)の機会は失われ、ふたたび勇者の道へ…。

7人ものメンバーが試行錯誤を重ねる中で、軌道修正ができる機会は、5時間の中でも数度しかなかったと思います。今回いちばん根本でずれていたシーン設定(勇者)に、早いタイミングで(つまり、完全に手遅れにならない時点で)立ち返ることが必要でした。ただ、齟齬に気づいた一人が、議論を投げかけ、最後まで進めるのは、とてもエネルギーがいることです。でも、限定的なピボットの機会に「適切な議論をし、適切な判断をする」ことにこそ、エネルギーを本当に注ぐべきなんですね。

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▲残骸。

苦手な仕事も成功させるリーダーシップ?

そもそも、自分の能力的に「勝算がない」と分かっている道を、先頭に立って走っちゃいけないなあ、というのが、今回いちばん「痛かった」学びです。(別に明確に先導していないし、最後までリードできていませんが、けっこう初期コンセプトにこだわり続けた自覚はあり。)

  • メンバーの誰が、勝機を生み出す可能性を持っているのか?
  • どのアイデアをどう育てればうまく行くのか?
  • どうすれば、そのアイデアが一番いいかたちになるのか?

あわてず、落ち着いて、互いに確認しながら進んでいくようなリーダーシップが必要なんだと思います。普段の仕事でさえ、なんとかマーケティングとIAの知識で制作の骨組みを支え、手が出せないデザインと開発の仕事をパートナーに託す中で、「自分が見えている範囲」だけのリーダーシップでは、とてもじゃないけど Unique / Impact / Magic なものは創り出せない。

***

図工嫌いのクリエイティブディレクターが、これからほんとうにクリエイティブなものを生み出せるとしたら、可能性はリーダーシップのありようにかかっている気がします。

入社から3年ちょっとが過ぎた、2015年の夏ごろには、苦手なテーマでも「圧勝」できるくらいになっているでしょうか。

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