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For Creative Communication

福田敏也さんの『なんクリ』を読んで、手の動かし方を変えてみた

いまの自分の仕事に、一番足りていないのは、「企画」の力だった。

実は最近、ひとつ気合いを入れてコンペに臨んだ案件を失注し、「具体的なコンテンツの提案」の足りなさを、大いに反省しました。その「痛くも、わくわくする気づき」をくれたのが、『なんクリ』。

ロフトワークの「キャプテン」として、多くのスタッフが敬愛するプランナー福田敏也さんの新著、『なんとなく企画クリエイティブの仕事をしたいと思っている人のなんとなくをなんとなくじゃなくする本』(長い)です。通称、「なんクリ」。

なんとなく企画クリエイティブの仕事をしたいと思っている人のなんとなくをなんとなくじゃなくする本 なんクリ

この本、社内では「何冊か配られるらしい(?)けど、書き込みたいから自腹で買う」人が続出している話題書。私も2周読んで、特に影響を受けたことを、まとめました。

Pinterestと【なぜのDiary】で、インプットする

本を読みながら最初にしたことは、いま関わっている案件のキーワードをPinterestで検索して、フォローするボードを20個ぐらい増やしたこと。

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Pinterestは一時期、気に入ったサイトのキャプチャを溜めるのに使っていたのですが、あまり活用できていませんでした。なんクリで勧められている 【ピンタレスト活用法】 (114P)は、画像検索のような使い方をすることで、「いいもの」をインプットし、自分の中で「基準点」をつくる方法。

Universityとか、(美麗写真多め)

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Financeとか、(インフォグラフィック風多め)

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Japaneseとか。

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「こんな画像もあったのね」「こういう側面もあるのね」という発見がいっぱい。私はWebディレクターですが、「Webがどうあるべきか」を少し離れて、一度視点をぐっと上げる効果がありました。「枠にとらわれない思考」のトリガーとして、あらためてPinterestはとても面白いサービスです。

Webデザインやインフォグラフィックス、旅の写真などは、ボードでテーマごとにまとめている人が多いので、気になった画像をPinしたらすかさず関連するボードをフォロー。今ではブックマークバーに置いてチラチラ見ています。


もう一つ、 【なぜのDiary】 (90P)は、「日々疑問に思ったことを記録し、あとで調べる」という方法。ふと気になったことを見逃さない習慣がつきます。

最近日記もほとんど書かなくなってしまっていたけれど、EvernoteとDay Oneを使って、iPhoneとPCの両方から、折々メモを残すようにしています。(一日複数回日記を書く、というのは、金田博之さんの『初速思考 30代で一気に突き抜ける人の集中戦略』で語られている「1行記録術」とも相性が良い。記録、大事です。記録を続けられる仕組みをつくるのも大事。)

【放射A4法】で広げ、【レイヤー思考法】でジャンプする

企画にまつわる仕事で、一番やらなきゃと思ったのが、見えている課題に対して「どう解決するか」のアイデアを、一度十分に「発散」してからまとめる、ということ。

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これ、ワークショップでは「当たり前」の進め方なんですが、日々の仕事ではどうしても、見えた課題に対して、正攻法だけで解決策を考えてしまいがち。。だから最近、Webサイトリニューアルの提案づくりでも、コンセプトやトップページの構成が「どの案件も似たり寄ったり」になってしまってました。

そこで、「一旦PCを離れて、A4用紙に向き合う」ことを意識的に始めました。

【放射A4法】 (110P)は、「真ん中にトピックを置いて、まわりにキーワードを拡げていき、A4用紙を埋めきるまで続ける」という紙の使い方で、マインドマップやマンダラートとも共通するのですが、なにより「余計な線を引かなくていい」おおらかさが良い(笑)。雑に描けばいいので敷居が低く、「あ、このキーワード一回、放射A4法しとこ。」と、気軽に発散するクセがつけられそうです。「A4埋めるまで絞りきって発散する」という目標設定にも最適。

この間のブログ記事の下書き

この間のブログ記事の下書き

さらに、「何を言うのか」「どう言うのか」のアイデアをストレッチし、「どうジャンプするのか」の一段階を加えて考えるのが、 【レイヤー思考法】 (206P)。企画のアイデアを「ぶっとい企画」に成長させる上級者向けメソッドで、ちょっと難しいのでまだ実践できていないけれど、「ジャンプしないと、死ぬ」心意気を持ち続けられれば、企画のアウトプットの質を一段上げることができるはず…。

「名作の分解」で、眼と言葉を鍛える

最後に、Facebook絡みの名企画 “Intel / The Museum of Me” を題材に紹介されている 【名作の分解】 (132P)。すばらしいアウトプットを見て、その背後にある「狙いと戦略、戦略を具現化するアイデア」を推測する方法です。常々、「ワイヤーフレーム模写」と読んでいる、表面設計のトレースはやっているものの、「なぜそれをしたのか・なぜそれができたのか」に様々な視点から頭を巡らすと、さらにとっても勉強になる(原落ち感がある)。「自分ならどうするか」をあわせて考えると、仕事への役立ち感もたっぷりです。

  • 課題
  • 課題解決の考え方
  • コンセプト
  • マーケティング戦略のユニークネス
  • 表現戦略のユニークネス
  • 表現戦術のユニークネス

一つ前のエントリー「早稲田大学のサイトリニューアルはなぜスゴイのか?」は、なんクリを読んで一発目にやった「名作の分解」。この記事は「悔しさとやっかみ」で衝動的に書いたようなもの(笑)ですが、書いたことは最近の制作仕事でホットなテーマばかり。

「なぜスゴイのか」を言語化するのって本当に難しくて、でも、これを繰り返すととても力が付く気がします。多角的に見る視点、掘り下げる論理構成、ひらめきを説明に落とし込む言葉、関連する他の事例や自分の仕事と結びつける編集力。基礎反復練習がしにくいクリエイティブの領域で、【名作の分解】は「素振り」のメニューとして、もってこいです。これ、シリーズで続けたいと思っています。(みんなもやったらいいよ!>同僚各位。)


ロフトワークに入社したての2012年春、アシスタントで入っていた某メーカーのグローバルサイト構築プロジェクトで、敏也さんがアートディレクションで参加していたことがあります。制作畑も広告畑もぜんぜん知らなかった当時は、そのスゴさが全然分かっていなかったけれど、最近は彼の書いた企画書をしばしば読み返しては、足りなさを痛感しています。

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「なんクリ」の前半戦は、敏也節全開の「そもそも企画とはなんぞや?」の話で、ちょっと抽象度が高く難しいです。しかし後半の具体的なメソッドを色々知った後で読み返すと、「企画とは」の議論にこそ、クリエイティブ業界で働く者として拠り所になる言葉がいっぱい。「時代と向き合う」「記憶レイヤー」「基準点と表現ジャンプ」など、印象的なキーワードはいろいろありますが、最後に次の一節をご紹介。

企画を仕事にするということは、終わることなき考える日常の重さや面倒さと向き合うことを意味します。その重さは、企画に本気で取り組めば取り組むほど、さらに重さを増していきます。でも、それが企画仕事の本質であり、そうしない限り、成功はあり得ないのです。(60P)

ひょんなことから企画っぽい仕事に就いている以上、「企画に本気で取り組む」姿勢を、保ち続けていこうと思っています。


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OpenCU

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