2015年4月にPMI認定PMP®の資格を取得してから3年。PMPホルダーは、取得から3年ごとに資格維持プログラム”CCRP”に沿って、所定の単位「PDU (Professional Development Unit)」を取得する必要があります。実践だけじゃなくて勉強も続けないとプロフェッショナルとしての資格は維持できないというわけです。

筆者は第1回目の「更新」期限である2018年4月を前に、なんとか「60PDU」を集め、前倒しでRenewを行うことができました。

世の中、CCRP/PDUに関する解説はあっても、「実際に登録した60PDUの具体的な内容」に言及した記事はごく稀なので、この3年間の歩みと取組みとともに紹介します。

なお、本記事は2015年12月1日より施行された最新のCCRプログラム(タレントトライアングルに基づくポイント割り振りがあるもの)に基づいています。

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60PDUの内訳

Education / 教育

  • 2017年PMI日本フォーラムセッション参加(Course of Training)8PDU
  • PMI日本支部活動「PM創生研究会」定例MTGへの参加(Organization Meetings)6PDU(各2PDU×3回。本当はもっと参加してますが、明確に単位を登録したのはなぜか2016年8月・2017年2月・2017年10月の3甲斐だけ)
  • PM創生研スピンオフ「PMBOK輪読会」への参加(Informal Learning)3PDU
  • PMI関西ブランチ「あかね実践工房」ワークショップ参加(Course of Training) 2PDU
  • 読書(Read)12PDU(PMBOK® Guide 6thの研究で6h。その他、ミンツバーグ『戦略サファリ』、『やさしくわかるBABOK』『プラットフォーム・ブランディング』あわせて6h)
  • Projectmanagement.com 提供 公式Webinar(英語)5PDU(1時間のウェビナーを5本)

Give Back / ギブバック=コミュニティ貢献活動

  • Work as a Practitionar(業務における実践)Maxの8PDU(4000時間ぐらいPM仕事してますけど。。
  • PMI日本フォーラム セッション資料作成と練習(Give a Presentation) 10PDU(リハーサルを含めると倍ぐらいかかってます)
  • OpenCU “PM Lesson vol.2” Stakeholder Management A to Z(Give a Presentation) 2PDU ※これワーク形式だしInformal LearningでEducationに組み込んでよかったような…?
  • ブログ記事執筆 3本 3PDURFPの記事、要求事項収集の記事、ステークホルダー分析の記事)
  • webPM勉強会 #webok 会合でのプレゼン2本(PM計画書の話、WBS/スケジュールの話) 2PDU

(あれ?これ足すと61になるので、どこかで書き間違いか、計上されていないものがある気がする…)

考察と次サイクルへの戦略

CCRPの「制約」と「特性」を理解し、作戦を練る

60PDUの内訳には、細かな制約が課せられており、闇雲に時間数を費やしても「無駄になる」恐れがあります。特に注意すべき制約・特性は以下の通りです。

  • 教育(Education)は「最低35」、ギブバックは「上限25」。つまりギブバックをなんぼ重ねても教育が足りないとクリアできないので、教育を重点に計画を練るべき。
  • 教育の内訳は、タレントトライアングルの3本柱である「Technical(PM固有の知識・技術)」「Leadership(リーダーシップ、ヒューマンスキル)」「Strategic & Business(ビジネス戦略、経営、マーケティング)」がそれぞれ「最低8」。インプットが偏ると下限に引っかかるため注意。特にStrategic & Businessは意識的に増やさないと不足しがちです。その上で、8×3=24なので、さらに11時間積まないとEducationの最低35を満たせない
  • Work as Practitionerの「下限8」は、本業がPMの人なら「自動的に満たせる」ものと考えてよいはず。なのでこの項目は除いたギブバック上限17を計画する。

つまり「教育」を計画的に進めないと、3年目に入って慌ててやろうとしても物理的にクリアできない可能性があります。時間を分散させて少しずつ埋めていくのがお勧め。

list

PMの勉強会・コミュニティ活動に参加する

内訳を見ると、「PM創生研」での活動に関係するPDUはかなり多く、重要な取組みの一つだったことは間違いありません。日本フォーラムへの登壇も、PM創生研の活動の中でのワークグループの成果発表だし、輪読会・あかね実践工房も創生研の派生なので、これがなかったらもっと60PDUの壁は高かったと思います。

また、「主催コミュニティ」に近い関東・関西のwebPMの集い「#webok」も重要な活動の一つ。コミュニティ運営は非常に難しく、この件も十分な成果を出せていないのが心残りですが、Informal Learningは「自ら場を興し、創る」ことで増やしていけます。次のサイクルは、もっとInformal Learningの項目を厚くしていきたいと思います。

英語Webinarに果敢にトライ

projectmanagement.comのwebinarは、スライドを中継しながら喋るスタイル(リアルタイムでも聞けますが北米時間なので日本人にはお勧めできない。。録画で1570本あります)。取得できるPDU数と領域、Rating(7段階評価)、タイトルやdescriptionに含まれるキーワードなどを参考にして見るものを決めるといいと思います。Ratingは、5.5以上ならそれなりの評価だと思いますが、たまに4点台とか低いものがあるので注意が必要です。ほぼ全て英語ですが、たまにトークスクリプトの日本語全訳がPDF添付されてるものもあります。

このwebinarは「再生し終わったら自動的にPDUが登録される」システムなので、とても楽です。これも念のためAudit用にメモを残しておくと吉。原理的には「聞き流す」だけでも単位取れちゃいますが、「寝て過ごすだけのセミナー聴講」が完全に無駄であるのと同じで、もったいないのでしっかり聞いて学びたいものを選ぶのがいいと思います。世界最先端の(PM分野は北米が最先端)話題やケースを、PMI会員なら無料で聞き放題というのはすごいことです。

例えば月1本1時間webnarを聴講すると決めて、リズムを作っていくと、無理なくPDUが溜まっていくはずです。(12ヶ月×3続けたらこれだけで36)

webinar

愚直に読み、愚直に書く

タイトルは棚橋弘季師匠のnoteのパクリなんですけど、自習時間の上限がなくなった新CCRPでは、読書(Read)が普通にPDU集めの柱になります(全部Readで埋めてもいいんじゃないのっていう。。どうなんでしょう。。)。

基本的なインプットである読書の時間を多く取りながら、監査(Audit)に備えてEvernoteに読書メモをとっておき(これで時刻のログにもなる)、さらに学んだことをブログやnoteに書いて公開すれば、ギブバック「Create Content(記事作成)」の単位も取れて一石二鳥です。

読むべき本の領域は、タレントトライアングルに沿って多岐に亘ります。

Technical(いわゆるPM論)の領域では、細川義洋さんの「訴訟になったPM失敗談」などのケーススタディ系書籍や、要件定義・仕様設計など上流工程のプロセスに関する本がお勧め。同じPMでもProduct Managerの心得を語った記事やエッセイもお勧めです。

Leadershipは昨今特にホットな話題で、PMBOK®ガイドの重点もどんどんソフトスキルにシフトしていっている感触。ど真ん中のリーダーシップ論はもとより、心理学、コーチング・ファシリテーション、そして「組織開発」の領域も良書がどんどん出ています。

Strategic & Business領域は、PMが特に新たに学ぶべき領域。経営者視点での経営論・組織論、CMO視点でのマーケティング・ブランディング戦略本など、読み手としての立場を変えれば、面白い本は山のようにあります。

筆者は今年読書メーターをしっかり使っていきながら、記録とともにアウトプット(学んだことの言語化)をしっかりやっていきたいと思っています。


ということで、PMP®の資格維持は決して大変ではなく、むしろプロフェッショナルとしてのキャリアを支える「補助線」的なものだと捉え、積極的に勉強していくのがよいと思います。若手日本人PMP®ホルダーが、これからもっと増えていきますように。