Archive for January, 2010
[R+] COURRiER Japonの小ネタ力
Posted by irritantis in 本 on 2010/01/20
レビュープラス3本目の参加記事。先輩レビュアーの@onolinaさんが「敢えて特集のことは置いといて…」の先を行ってしまったが(笑)、クーリエ初心者としては、世界中のリソースをかき集めた編集の「バランス感覚」に驚嘆したことを書くことにする。献本いただいた対象作は、2010年2月号 vol.064。
* * *
世界の小記事を集めた定番コーナー「World News Headline」では、3つのカテゴリ(政治、経済、社会)、5つの地域、30の記事からなるストーリー集。ひとつひとつの記事は200〜300文字程度だが、コンパクトにまとまっていて、地図の上にスパッタリングで飛沫を飛ばすように、世界の出来事を見ていくことができる。キルギス、イラン、エリトリアといったマイナー地域のできごとも、その地域になじみの深いメディアの記事を使っていて、なんとなく距離感が近い。ざっと眺めていると、Wikipediaにランダムボタンがついて、それを押しているように、知らない世界の扉を一枚一枚開けていく感覚がある。

[Santiago - photo by ·S - CC by-nc-cd]
そして、特集「世界が見たNIPPON」では、米英のメディアからJAL・民主政権・中小企業経済の話題を、中韓のメディアから歴史と教育の話題を、仏ル・モンドからは移民の話を引っ張ってきている。ここの切り口は、ある種典型的とも言えるが、最新の論調で更新されていく感じだ。逆にこの記事から、各国の代表的メディアの文体もなんとなく伺い知れる。エコノミストの経済論は、やっぱり重厚だ。
そして、独自編集のCOURRiER VOYAGE「ワインと詩人の国、チリを訪ねて」。4ページの文章の中に、文化と軍政の流れをぎゅっと凝縮。カルメネールのワイン、詩人ネルーダの生、ピノチェトのクーデター、バチェレ大統領の為政。知らない語圏の人名は、イメージを持つのがなかなか難しいけれど、日帰り観光旅行のような感覚で、チリという国に出会うことができた。
* * *
小さい頃、進研ゼミの「チャレンジ」についてきた、付録の図鑑を食い入るように眺めて、世界のありように思いをはせていたことを思い出す。クーリエの小ネタ満載っぷりは、今もなお衰えていない、飽くなき世界への知的好奇心を、うまい具合に刺激してくれる。
[R+] 現代インドの歪んだ群島『インド人のことはインド人に聞け!』
Posted by irritantis in 本 on 2010/01/17
インド人だって、シンガポールに行けば振るまいが変わるものさ。(オンカール氏のことば。p19)
現代インドの様相をさまざまな角度から描写したレポート、インドのことはインド人に聞け! (COURRiER BOOKS)(中島岳志 著)を読んで一番衝撃的だったのは、第1章の「ゲーテッド・コミュニティ」の話。カタカナだとぱっとイメージが湧きにくいが、文字通り “Gated”:門の閉ざされた、お金持ちのためのクローズな共同体のこと。ゲーテッド・コミュニティの中には、必要なものがすべて整う流通があり、厳重な警備が施され、そして高い塀によって外界から孤立している。ここに住む人たちは、急激なインドの経済発展で成り上がった富裕層。
Read the rest of this entry »


Recent Comments