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「ずっと世界に驚き続けたい」Think the Earth 石川直樹さん名言集
Posted by irritantis in 場 on 2009/12/12
今年4回目、最後のThink the Earth セミナー&サロン、写真家・石川直樹さんの講演は、とても盛況でした。予習していった甲斐がありました。
写真のプロである石川さんですが、いくつもの素敵な文章を書いていることもあり、印象的な言葉が数多く出てきました。特にメモを取ったせりふを中心に、講演での学びを書き留めます。
<旅に関すること>
「辺境なんてどこにもない、ひとの数だけ中心がある」
石川さんの講演は、まず自身の「冒険家」という肩書きを否定するような話から始まりました。『Pole To Pole』は、ある種の冒険だったと思うけれど、チョモランマ(素晴らしい登頂ドキュメンタリー映像を見ました)は多くの人が登っているし、写真集『POLAR』に登場する、アラスカ・グリーンランド・ノルウェーの沿岸には、人々が何一つ不自由なく暮らしている。むしろ「旅人」という肩書きでいいんじゃないでしょうか。この日の話は、写真の話でありながらも、一貫して「旅=世界を知るために動き回る行為」が中心にありました。
この言葉は、POLARの地域を辺境と呼ぶのは、勝手に「中心」を都市に置いている人の言い分で、そうじゃないんだ、という文脈で出て来たと思いますが、中心と周縁については、「島」について語るところでも出て来ました。
最新作『ARCHIPELAGO』(陸から見ると「群島」、海から見ると「多島海」となる)は、石川さんのライフワークである「しま」をテーマとした作品だけれど、「しま」には中心がなく、部分が独立した分散的ネットワークであるところが面白いと言っていました。インターネット的だとも。これって最近よく言及される「ノマド・ワーキング」とか、近未来的な働き方にも、すごく共通するとらえ方だと思います。
「一歩も動かなくても、神話や伝統を受け継ぐことで世界を深く知ることができる」
村を一度も出たことのない、アラスカ・シシュマレフのおばあさん。沖縄島嶼部で伝統的な祭を伝える人々。石川さんは旅をしながら、世界を知るために世界を歩くこと以外にも、全く動かないまま旅をする方法があることに気がついたといいます。沖縄の写真家・平敷兼七さんも、「井の中の蛙、一点を見つめる」という言葉で、動かない旅の在り方に言及していました。
ARCHIPELAGO 前半部分(沖縄諸島・台湾・金門島編)の写真を見ながらのセッションは、全体を通して「マツリ(祭・祀り)」の描写が中心でした。悪石島の「ボゼ」をはじめ、さまざまな「異形の者」が登場し、それを迎え入れることで無病息災を願う、本土とは違う伝統的な祭が根付いている、という説明。「見えない島を心の中に抱いている」という表現も印象的でした。
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<写真に関すること>
「メッセージを込めれば込めるほど、つたわるものが少なくなる」
これ、「伝わる」ための方法をテーマにしたセミナーとしては、けっこう逆を衝く言葉でした。被写体が遠くにあって、「なんだろうこれ?」という状態のときに、身体が反応して、びっくりして撮る、というのが写真の価値であって、それに反応してくれたらうれしいし、反応してくれなくてもいい、というスタンス。
人間の美意識なんてちっぽけなもので、風景を切り取るのではなくて「世界を受け止める」のだ、という言い方もされていました。過酷な自然を知る旅人だからこその認識、また、アーティスト的な認識だと思います。企業やNPOのコミュニケーションにおいても、写真に多くを語らせるようなとき、写真選びの重要な指針であるのかもしれません。
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<まとめ>
「ずっと世界に驚き続けたい」
旅と写真に生きる石川さんらしい締めの一言。
「2009年もあっという間に終わっちゃったな、とかもう言う人がいますけど、驚きが少ないと、時間の流れが速いんですよね。」という痛烈な表現もありました。好奇心をつねに持って世界に相対するということ。
会場からの質疑応答一発目は、「石川さんでも驚きが減ってくることはあるのか、そういうときはどのように感覚を磨き直すのか」という質問をしました。その答えは、まさに「気の持ちようで、いくらでも驚ける」ということ。同じ場所に何回足を運んでも、いつも新しい発見ができ、違う驚きに出会える。これは、発見でした。
セミナーの副題でもあった「撮ることで広がる世界」は、カメラを構えたり、身体が反応してシャッターを切ったり、という行為を媒介にして、世界に対する驚きを絶やさないようにすることの大切さを説いたものかもしれません。
* * *
終了後、Amazonで在庫がなくなっていた、石川さん最初の写真集『POLE TO POLE 極圏を繋ぐ風―石川直樹写真集』を会場で購入し、サインをいただきました!
POLE TO POLEは文章版(こちらは日記風)の入手も難しいけれど、セットで読むことで、知らない世界が見えてきます。
石川さんの作品は東京都写真美術館で12/19から開催される「日本の新進作家展:出発−6人のアーティストによる旅」という展示、そして、品川 キャノンギャラリーSで12/24から開かれるARCHIPELAGO展で見ることができます。驚きの片鱗を、是非。
石川直樹(冒険家・写真家)をWebで読む
Posted by irritantis in Articles on 2009/12/10
明日、Think the Earth セミナー&サロンに登場する
写真家・冒険家の石川直樹さんについて、
Google検索し始めたら面白くなっちゃったので、メモ。
結論から言います。
POLAR を出した頃の、ほぼ日対談(2007/12)
「北極を撮った石川直樹さんと上野公園を撮る。」
は、ぜったい読んで参加するべき!
とくに、これ、おもろい。
◆ベンチシリーズ
http://www.1101.com/ishikawa_naoki/2007-12-06.html
◆撮る人シリーズ
http://www.1101.com/ishikawa_naoki/2007-12-07.html
さすが視点が違う!その片鱗が見えます。
そして、糸井重里@darlingとのかけあいも楽しいです。
「写真で世界を切りとる」なんてよく使いますけれど、
その人の美意識で切り取られた世界よりも、
世界そのものの力のほうが実は圧倒的に強くて
ばっちり構図を決めていくら美しい写真を撮っても
やっぱり現実をこえる力はもちえないんですよ。
いくつかのアーカイブを見ていても、
あれこれ考えずに「体が反応してシャッターを切っている」という表現を
よくしている石川さん。
日経ECO JAPANのインタビューでも、同じような発言がありました。(この記事は、あまりつっこんだ質問がなくて、新味に欠けますが…)
僕はこの写真集によって環境問題やエコロジーについてことさら訴えたい、などという気持ちはないんですよ。写真集にメッセージをこめようとすればするほど 偏狭なものになりかねません。ただ、自分が見た風景がそこにあり、それに反応してシャッターを切っている。ただそれだけなんです。
この点、あしたの「伝える/伝わる」をテーマにしたセミナー&サロンの
中心話題なのでは?という期待をしています。
* * *
ほぼ日以外に面白いアーカイブは、やっぱり対談ですが、
“Mt.Fuji”を出したころの、リトルモア社主催の連続トークセッション。
大竹:石川さんは写真集『Mt.Fuji』のあとがきでも、「富士山は飽きない」って言っている。飽きない理由は、富士山にはいろんな登山者がいて、登山者の多様さにおいてはほかの山と比較にならないから、ということを言ってるんだけど、でも、その「いろんな登山者」がいっさいこの写真集には出てこないじゃない。(笑)
石川:そうですね。
大竹:それはどうして?
石川:人がいないのではなくて僕がここにいる、っていう写真集なんです。風景としての山というよりは、僕と山との関係で撮っている。だから、いろんな登山者が富士山にいるということは、あえて(写真で)説明しようとは考えていなくて。でも、よく前半にはいくつか人が写っている写真も入っていますよ。
「ひとを撮る」ことへの興味と技法は、ほぼ日対談の中でも度々触れられますが、
好奇心はどんどん人間に向かっていって、人間を知るために
人間よりも大きな存在である自然、極地や過酷な地に足が向いているんでしょうか。
* * *
お話を聴くのがますます楽しみになってきました。
以下、その他のメモ。
<公式プロフィール>
http://www.straightree.com/ ←straight(直) tree(樹)か。
東京芸大 美術博士!(2008年修了)←ここに一番驚いた
2000年 Pole to Pole→ 2003年に最初の写真集「極圏をつなぐ風」で写真家デビュー。
2006年〜 THE VOID, POLAR, Mt.Fuji など
最新刊 ARCHIPELAGO(群島)
●本について。
+ Pole To Poleのようすを描いた旅行記「この地球を受け継ぐ者へ」は
石川さんに出会った最初の1冊。残念ながら新刊は売り切れかな。
http://www.amazon.co.jp/dp/4062566370
+ 写真集版。「極圏をつなぐ風」ってすごくいいタイトル。
http://www.amazon.co.jp/dp/412003447X
+ いま読んでいるショートエッセイ集「全ての装備を知恵に置き換えること」は
冒頭、パタゴニアのことを書いた表題作が抜群にいい。
http://www.amazon.co.jp/dp/4087465004
* * *
その他のテキスト。
+ Nikon。THE VOIDの写真5点がおっきく見える。
他にもカメラ屋の宣伝記事もちらほら見かけます。
http://www.nikon.co.jp/main/jpn/feelnikon/comfort/webgallery/200610ishikawa_naoki/index.htm
+ 男の本棚@石川直樹 おすすめ本が何冊か。
http://www.webdoku.jp/hondana/hondana_4.html


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