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ロングテールの浮標 - iTunes Store
- July 4, 2008 12:05 AM
2005年夏のDef Tech "Cancion de la Expansion"を皮切りに、
少しずつ買い足し続けたiTunes Storeの購入リストも、
今や200曲を越える。
昔の名曲をたまたま検索から発掘して、というのもあるが、
多くはストア内探検によって掘り出したものたちである。
その道標が、「ランキング」と「リコメンド」のしくみである。

iTunes Storeの人気ランキングは、大カテゴリ内の
売れ筋だけではなく、アーティストごとの「トップソング」、
アルバム単位の「人気」バロメーターなど、小さい単位で
表示されるのが便利なところ。
「いいな!」と思うアーティストを見つけたら、
まず「トップソング」上位を聴いて、
だいたい1,2曲は「購入」を押してしまう。
特に使えるのが、アルバム単位の「人気」メーター。
ダントツに伸びている曲に、そうそう外れはない。
皆が好む曲と、自分にとっての好きな曲が必ずしも
一致するとは思えないけれども、iTunes Storeの
ユーザーランキングは、テレビともラジオとも違う
独特なもので、案外いい音を拾ってくれたりしている。
ここから先の旅は、主に「リスナーはこんな商品も購入」とか、
featuringのアーティストのページに飛ぶとか、
あるいはホームに戻って、特集のページを開くとか。
セレブリティ・プレイリスト、Best of the Store、
Editor's Choiceなど、ランキングに載らない名曲に
アクセスする経路は予想以上にたくさんある。
Editor's Choiceの選曲もまた渋い(最近別ルートで気に入った
DJ DeckstreamやらNomakやらが上位に食い込んでた)。
検索によってしか探している情報に行き着けないデータの
海の中で、明確に探していないものをどのように見つけるのか?
それが、こういった「リコメンデーション」の企て。
ひとつひとつのリストが、誰かの価値のフィルターを通じて、
ロングテールの海の中に、いくつもの浮標を浮かべる。
その「誰か」は、無名の誰かではなく、やはり何かしらの
背景を持った特定の人(アーティストや、いわゆる
「レコード屋」のロールを持つiTunes Store側の人間)
であることが必要。なるべく近い価値のフィルターを
持っている人を伝うのが、最も確度の高い探し方であるからだ。
領域の大部分が重なる中で、重ならないところを攻めていくことで、
世界は徐々に広がっていく。
こういった「おすすめ」を、ユーザーの購入履歴から
システマチックに判断して表示させるのが、いわゆる
「リコメンデーションエンジン」のしくみだが、
それにあたる"JUST FOR YOU"は、どうにも外ればかり。
やはり、人が手動で選んだ「お気に入りリスト」や、
多くのユーザーの選択が定量的に判断された「ランキング」が、
原始的ではあるけれども刺さりやすいのではないかと思う。
B2Bのマーケティングにのみ携わっていると、
どうしても自分が生活者として存在することに意識が薄くなってしまう。
書くことを通じて、身の回りにあるマーケティングの工夫と
技法にアンテナを伸ばしていきたい。
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